2022.10.18
第10回(平成28年度)
野村正七地図賞
【受賞者】
三浦公亮 会員(東京大学名誉教授)
【受賞理由】
宇宙構造物と地図という異なる分野を貫く着想により、優れた地図の折り方であるミウラ折りを発明した。
【ミウラ折りについて】
航空宇宙工学者である三浦会員は、人工衛星装置の開発研究の中で、1970年、簡素な構造でありながら、小さく折りたたんだパネルの一端を引くだけで全体を一気に展開でき、逆向きに動かせば一気に折りたためる方法を考案し、折り紙でその成果の模型を作成して示した。この紙の折り方は、広げて使う紙の地図の折りたたみ方としても大変優れたものであり、日本国際地図学会(現在の日本地図学会)や国際地図学会議(ICC東京、1980年)などで発表され、ミウラ折り(miura-ori)と呼ばれて世界に知られるようになった。今日までにミウラ折りの地図製品が多数作成されているほか、その技術はさまざまな分野に応用されている。また日本の伝統文化である折り紙に通じることから、2006年には「新日本様式」100選にも選定されている。