2022.10.18
第14回(令和2年度)
論 文 賞
【論文】
小林茂・鳴海邦匡(2018):ヨーロッパにおける長久保赤水の日本図の受容過程(地図,56巻4号,1-17.通巻224号に掲載)【論説】
【受賞者】
小林 茂 会員
【受賞理由】
小林茂会員が筆頭著者となっている論文「ヨーロッパにおける長久保赤水の日本図の受容過程」(地図56巻4号掲載)は、我が国でも地図を大きく変えた長久保赤水の「改正日本輿地路程全圖」について、ヨーロッパにおける日本図の刊行に与えた影響について論じたものである。著者はティツィングによる研究やこれに依拠したクルーゼンシュテルンの取組に対し綿密な調査や緻密な分析を行い、クルーゼンシュテルンの「日本帝国図」がヨーロッパにおける日本図を近世的なものから近代的なものに転換させたものを明快に示した。本研究は、ヨーロッパにおいて日本図がどう扱われたかについて大きな示唆を与えるものであり、その内容は高く評価される。